ケガ(外傷)
外部から力が加わることによって組織が損傷し、切り傷や擦り傷、皮膚欠損などが生じます。受傷してから治療するまでの期間が短いほど治療の選択肢も増えます。また、感染症を発症する恐れもありますので、これらのケガをした場合は速やかに受診するようにしてください。治療では傷跡をなるべく目立たなくするような処置をご提案いたします。
また顔面の外傷では、見た目だけでなく、心にも深い傷跡を残してしまうケースがあります。顔は露出している部分ですので、交通事故やスポーツでの事故、殴打によって、大きな損傷を受けることは少なくありません。当院では、傷跡だけでなく、機能障害などもできるだけ残さない治療法で対応いたします。
このほか救急外来にて、顔面部分に縫合処置を受けたという場合も翌日に当診療科(形成外科)をご受診ください。速やかに専門的なチェックをし、必要な場合は再縫合を行うこともあります。
やけど
日本熱傷学会が認定する熱傷専門医の院長が診察させていただきます。
主に熱などの刺激によって、皮膚や粘膜が損傷している状態がやけど(熱傷)です。皮膚に高温のものや刺激性物質が一定時間以上触れることで生じます。
熱傷は症状の程度によって治療方法が異なります。
まず、程度によって大きくⅠ~Ⅲ度に分類されます。Ⅰ度熱傷とは表皮のみのやけどのことで、ヒリヒリした痛み、皮膚に赤みなどがみられます。この場合は、ほとんど傷になることなく、数日で症状は治まります。軟膏やクリームの塗布で対応します。
Ⅱ度熱傷は真皮まで達しているやけどのことで、ヒリヒリした痛みや水ぶくれがみられます。Ⅱ度熱傷ではさらに浅達性Ⅱ度熱傷と深達性Ⅱ度熱傷に分類されます。浅達性Ⅱ度熱傷は真皮浅層までのやけどで、赤みから徐々に水疱を形成して傷になります。軟膏治療を行い、おおむね2週間程度で治癒します。一方の深達性Ⅱ度熱傷は真皮深層まで皮膚の損傷が達しているやけどです。浅達性Ⅱ度熱傷と同じように受傷部位が赤くなり、水疱もみられますが、傷表面は白色がかっています。軟膏治療を行いますが、浅達性に比べて治癒までの期間が長くなり、目立つ瘢痕を残しやすくなります。いずれの場合も、軟膏や創傷被覆剤を用いた湿潤療法を行うことで、なるべく早く、なるべくきれいに治るように治療を開始することが重要です。
Ⅲ度熱傷とは一番深いやけどのことです。皮膚のすべてが損傷し、皮膚は白色になります。また、痛みを感じることがありません。Ⅲ度熱傷では皮膚が壊死しているため、細菌感染を起こしやすい状態です。そのため壊死組織を除去するデブリードマンという処置と皮膚を移植する手術(植皮術)を行う必要があります。
やけどは時間が経つにつれて徐々に深くなることもあります。やけどをした場合は患部を十分に冷やし、そのままの状態でなるべく早く当院を受診していただくことが重要です。
きれいに治る!ための
応急処置
応急処置は最初が肝心です。けがをしてしまったら、正しい処置をしましょう。
切ってしまったら
包丁などで切った場合、まずよく洗います。 水道の流水で、汚れを流して下さい。 そして傷の真上を3~5分押さえましょう。 出血が止まってきます。
傷をよく観察し、深い場合は当院へ。傷が閉じるくらいなら、とじたままテープ(絆創膏など)をはり、ガーゼを巻いて、上から包帯を軽くまきます。
皮膚がむけてしまった、取れてしまった場合
スライサーなどで皮膚をそいでしまったら、取れてしまった皮膚を探して下さい。 傷は洗った後圧迫して、包帯などで巻きます。
とれた皮膚はガーゼなどに包み、一緒に当院にもってきてください。
皮膚が剥けた場合も、なるべく元の位置に戻して、テープなどで留めます。よく動く場所や、傷が深い場合は当院までご相談下さい。
ぶつけて血が出たら…
テレビやドアなどにおでこ(顔面)をぶつけて切れた場合、血液はたくさん出ますが、まずタオルやガーゼをあてて、上から手で3~5分押さえて下さい。
血が出てもあわてないで!
まず傷の真上を押えて血を止めましょう。
指の根元などを縛ってはいけません。
皮膚は大切に!
取れてしまった皮膚は一緒に当院に持ってきてください。
傷の処置は6時間以内が理想です。
転んで擦り傷が…
膝などに砂が入ることがありますから、まず水道の流水でよく洗って下さい。血が出てもかまいませんので早くきれいに洗うことが大事です。
そのあとガーゼやタオルをあてて、上から手で押さえるか包帯を巻いて当院に来てください。
とげが刺さった…
とげやクギ、ガラスなどが刺さった場合は、抜いても異物が残る場合があります。
後で痛みが出ることもあるので、特に注意して下さい。
やけどした…
熱いものがかかったり、熱いものに触ってしまったら、すぐ冷やすことが肝心です。なるべく水道の流水で流しながら冷やしましょう。 10分から15分が目安です。その後も痛みがあるときは病院へ行きましょう。
氷を使うと冷やしすぎることがあります。
洋服は脱がないで、まず上から冷やします。急いで脱ぐと皮膚が剥けてしまうことがあります。
犬、猫に咬まれた場合
飼い犬、猫でも動物の歯や爪はバイキンがいっぱいです。深く刺さった場合は特に化膿する可能性が高いので、病院でしっかり消毒する必要があります。
よく洗って当院までご相談下さい。
怪我の汚れは…
洗いましょう!
水道の流水であればバイキンが入ることはありません。まずよく洗って下さい!やけどはすぐに冷やしましょう。 傷の治り方が違います。
※けがした時の対処などでわからない場合は当院にお問い合わせ下さい。